栽培が難しいとされていたル レクチエ。115年かけて研究した集大成の「こだわり農法」に迫ります。

手塩にかけて育てる

ル レクチェは新潟市南区を中心に新潟県で2,030tが生産されており、日本での生産量の85%が新潟で作られています。主要産地の新潟市南区は、2本の川(信濃川・中之口川)が流れており、農産物に欠かせない水供給の要となっていますが、かつては洪水に悩まされ、その川から流れ込んだ肥沃な土砂によって果樹栽培が盛んになったのです。戦国武将・直江兼続による護岸工事から始まり、現在に至るまでの開墾・排水技術の研究により、今では広大な田園風景が広がっています。またその川に由来する様々な歴史文化が、今もなお息づいています。
1月 整枝剪定・土壌整備
木の骨組みを考え、大きな実をつけても落下しないように充実した枝の配置に剪定し、健康な根づくりの為の土壌整備によって安定した品質を保ちます。剪定された枝を拾い集めることも重労働な作業です。
4月 花粉つけ
ル レクチェは自分で受粉することが困難であり、また隔年結実の特性を持つことから、和梨から花粉を採取し、ひとの手によって花粉つけを行います。
5月 摘果
ひとつの実に栄養分を多くいれることで、大きく・味わい豊かにするため、ひとつの枝に5~6個程度つけるよう不要な実を間引いていきます。
6月 袋かけ
ル レクチェのデリケートな表皮を保護するため、二重構造の紙製の袋をひとつひとつかぶせます。
10月 収穫・追熟
収穫前に熟成が進むと様々な病気にかかりやすいことからも、収穫後に、追熟に入ります。追熟は品質を均一にするため予冷し、その後40日かけて行い、温度管理など繊細なコントロールによって、芳醇な香りと豊かな味わいを生み出します。
11月 出荷
市場での品質を均一にするため出荷解禁日を決めており、例年11月20日~25日頃から1月初めまでと、ほんのわずかな期間のみ市場に出荷される、大変貴重なフルーツです。

歴代の仕掛人たち

湿地帯から農地に変貌させる新潟人は、「おいしく育てる」ということに熱心な県民性を持っています。栽培が難しいとされていたル レクチエを特産品にまでしていった仕掛人たちによってできあがったル レクチエは、想いと技術の賜物といえます。