パティスリー界のピカソと呼ばれ、2016年「世界の最優秀パティシエ」も受賞したフランス人の巨匠、ピエール・エルメ氏がル レクチエに出会ったのは、2018年のことでした。その時、初めて食べたル レクチエを「香りと甘さ、そして食感が特長的。口の中でとろけるほど柔らかいのに、ほんのりと果肉の食感も感じられる」と絶賛。すぐにデセール(デザート)にしたいと思ったそうです。「ソルベやポワレなど、様々な合わせ方ができる。まさにカメレオンのようなフルーツです」という言葉からも、稀代のパティシエに与えたインパクトの大きさがうかがえます。

 

 

 

 

 

 

 

 

早速、ピエール・エルメ氏とル レクチエのコラボは翌2019年に実現。東京・銀座にある「カフェ ディオール バイ ピエール・エルメ」において、収穫されたばかりのル レクチエを使った5種のデセールのプレートが提供されました。果実を煮詰めたコンポートや表面を香ばしく焼いたポワレ、さっぱりとしたソルベなど、温かさと冷たさで味の変化を楽しめる、まさに“カメレオンフルーツ”の魅力が存分に引き出された一皿となりました。
「ル レクチエは日本とフランスを結ぶ象徴の一つ。食は文化でもあるので、これは日本とフランスの文化交流でもある。このル レクチエがもっと広く知られるよう、少しでも貢献できればうれしい」とエルメ氏。100年以上前に生まれた両国のル レクチエのつながりは、時を経て今、新たな可能性を秘めたより深いつながりに成長し始めています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

文:丸山智子