第3回の案内人は、ボランティアガイド等を行う「しろね大凧タウンガイド」に所属する本間初美さん。5~6年前からまちに関わるようになり、凧合戦やまち歩きのガイドとして活躍中です。今回は、白根のまちなかの見どころのナビゲートをお願いしました。たっぷりお話しいただいたので、<凧編>と<街歩き編>の二回に分けてお送りします!

 

 

白根と言ったら、なんと言っても「凧」です!私たちタウンガイドは、毎年6月に開催される白根大凧合戦のルールや見所を紹介しようと立ち上がった団体で、凧合戦の当日以外は、街のガイドもしていています。3人娘がいますが、彼女たちも私と同じくらい説明できます(笑)。

 

 

白根に嫁いできて約25年になりますが、凧のインフラは、やはり世界に一つだけだと思います。絶対白根にしかないと思う、年間5日間しか活躍しない凧合戦のためだけの施設・設備があちこちにあります(笑)。

 

①マンホール

 

 

白根の凧合戦は、川の両岸から凧を揚げて空中で絡めて川に落として引っ張ります。この時の綱引きで勝敗を決めるんです。だから自分のところの綱を持っていかれないよう、鉄柱をたてるマンホールは凧合戦専用です。普段はふたがされています。すぐそばにある案内看板のQRコードをスマホで読み込むと凧合戦当日の綱引きの迫力ある動画が観られるんですよ。

 

 

 

②手すり

大切な大凧の綱は1本100~200万円もする高価なもの。それをたぐる時にコンクリートの壁で擦ったら傷むということで、凧を降ろすときに縄を沿わせる手すりがあります。ぱっと見は手すりなんですが、だんだん手が届かない高さに勾配していくんです(笑)。錆びるとちゃんとメンテナンスもされます、そのままだと当日凧が傷むから。ちなみに会場になる川の土手のガードレールは全て着脱式。もちろん凧合戦の邪魔にならないようにするためです。鉄柱をたてるマンホールは凧合戦専用です。普段はふたがされています。すぐそばにある案内看板のQRコードをスマホで読み込むと凧合戦当日の綱引きの迫力ある動画が観られるんですよ。

 

 

③制作・収納場所

大凧のサイズは24畳大。本当に大きいので、広い制作場所が必要です。白根の児童センターの体育館は、まさに凧づくりを念頭に設計された施設で、制作のために年間3~4ヶ月は子供たちは体育館の利用はできません。ここでも“凧ファースト”なんですよ(笑)。

 

④凧見橋

 

二つの凧の絵のうち片方は逆さまになっている、まさに凧の綱が絡む瞬間の絵なんです。白根の人間にとって「よしっ、上手に絡んだぞ」と一番テンションが上がる場面を描いています。先程の話のように、白根では凧が高く上がることではなくて、絡んで落とすことが重要なんです。落ちてからが本番。タウンガイドでは当日そう言ったポイントもご説明しています。

 

 

中ノ口川を挟んで東と西に分かれての凧合戦は、両方の息の合わせ具合や凧の作り方、技術の高さなど見所はたくさんあります。凧の絵も毎年ちょっと変化があったり、何回来ても楽しめます。

冠婚葬祭に飾ったり、子供が生まれたら名前入りの凧を揚げたり、熱く語ってくれる人がいたり…白根って、面白い街ですよ。

 

 


【しろね大凧タウンガイド】

『しろね大凧タウンガイド』の皆さんは白根商店街を中心に活動しています。白根大凧合戦の期間はもちろんのこと、普段も切妻造りの町屋など白根大火から2年余りで復興した街並みを中心に案内をしています。そのほか、見どころスポットに案内看板を設置する活動も行っています。白根のまちの成り立ちを理解し、さらに魅力ある街並みづくりを目指しています。

●選べる6コース

所要時間:90分から120分 一人500円(中学生以下無料)

コース1 白根大凧合戦の魅力と見どころを堪能
コース2 白根大凧合戦と歴史的町屋群を巡る
コース3 歴史ある町屋が並ぶ街並みを巡る
コース4 白根の路地と階段の魅力をそぞろ歩き
コース5 水との戦いと交通の要のブラ歩き
コース6 凧合戦期間中でなくても凧合戦を味わうまち歩き
※コース1・2は凧合戦開催期間中のみ

 

ガイド申し込み先 しろね大凧タウンガイド
電話:070-4296-3345(午前9時から午後6時) メール shironetown@yahoo.co.jp

 


 

取材協力:本間初美(しろね大凧タウンガイド)

ライター:丸山智子

撮影:内藤雅子(Sunday Photo Studio)